原木栽培について
原木栽培は昔ながらの栽培方法で、発祥は当然古いのですが、現在の原木栽培は今から約80年前にある学生が取りかかることになった改良が加えられたもので、それは1940年代実現した種駒の製造でした。
この種駒をホダ木に打ち込んで、原木一石から5g以上の干し椎茸が採れるようになったといわれています。
原木栽培ではまずホダ木となる原木の伐採から始まり、一般的には木を切り倒した後は、葉枯らしといいますが約1ヶ月そのまま木を乾燥させます。場所によっては1メートル程度の長さに玉切りすることもあります。
原木にはドリルで穴を空け、金槌で種駒を打ち込んでいきます。植菌したホダ木は椎茸菌がよく根付くようにかり伏せしますが、これも場所によっては湿度を与えるためにハウスの中でかり伏せされることもあります。
その後、椎茸菌がしっかり活着したら、本伏といわれる椎茸菌がホダ木の中に繁殖しやすい環境に移しての育成が続けられます。
ハウス栽培では浸水作業も行なわれ、この作業から大体10日程度で椎茸が収穫できる状態となります。原木栽培では全てを計算すると収穫までには2、3年もかかることになり、手間ではありますが、その分厚みがあって味も濃い良質の椎茸が採れます。
基本的には天然に存在する椎茸と非常に似た方法で育成されるので、乾燥椎茸にしても、味も香りもいいのです。